今日はAsMama創業以来貫いている働き方について紹介します。

AsMamaでは上は北海道から下は鹿児島にスタッフがいて、携帯やメールで情報共有を図りながら仕事をしています。正社員んを含む約30名の本部スタッフと、アルバイトやパートナー契約を含む約400名のスタッフがリモートで働いています。

オフィスは、横浜にありますが、インキュベーションオフィスと言って、いわゆるシェアオフィスです。ですから、普段そこにはAsMamaスタッフは誰もいません。私自身も普段は自宅、営業先、打ち合わせ先、現場、街中のカフェあたりにいることがほとんどで、来客がある時や取材の時に使うぐらいです。それでも月にわずか15,000円程度で24時間365日オフィスとして使え、会議室もあり、郵便物の受け取りも出来、平日日中は受付嬢ならぬコンシェルジュまでいるので、オフィス到着が遅れそうだという時でも電話ひとつで来客対応までしてくれます。これまで5年間、対して不便だと思ったことはありません。

最近でこそ、37シグナルズという会社が「強いチームはオフィスを捨てる」という本を出して大ヒットしましたが、まさに、オフィスがあることによる弊害と利点を考えたときに、AsMamaのような会社にとっては当面要らないな、と創業した5年前に思ったんです。

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オフィスだけじゃない、ですね。

結論から言うと、事業の成果や効果を最大化するために関係ないことは、すべてどうでもいい、というのが考え方の根本です。シンプルでしょう(笑)。

離れた場所にいても、一人ひとりがAsMamaという船にのった乗組員として、自主的に主体的に、ミッション・ビジョンの実現に向けて任されている仕事を期限までにきちんとやり、その成果効果を最大化することにストイックでいてくれれば、それで十分です。どこで働くか、いつ働くか、何時間働くか、何を着てるか、単身か子連れか、なんてどうでもいいことです。

勿論オフィスがあり、就業時間があり、単身で働けることを条件にする方がなんとなく情報共有スピードが上がり、連帯感がうまれ、働いている気にはなりやすいです。何より、仲間が近くにいてくれれば心強いし、楽しいこともたくさんあります。

だけど、それもそんな気がするだけでそうでないことも多いと思います。

実際、私自身、(割と真面目なオフィスワーカーだったと思いますけど・笑)、10年やってみて、満員電車に揺られて通勤する時間を何とか有効に過ごそうとあれこれ試行錯誤したけれどあの時間机に座って他のことをしていた方が効率が良かっただろうことは疑いようがないし、仕事に気乗りがしない日や体調が悪い日でもとりあえず会社には行って一日何をしようか考えあぐねている間に終業時間を迎えたことだってあります。産後に復職してからはとにかく始業時間前には会社に着き、終業時間までは会社にいられるという環境を子どもの体調管理や行事を含めて整えることが第一優先で、仕事の効果成果と、会社にいる時間とは全く関係がなかったです。会社に行くからこそできる仕事もあるにはありましたが、今思うとそれがリモートでもできたとも思います。

そもそも、スタートアップ期なんていうのは、超優秀な仲間がいてこそ立ち上がるもんです。ましてやAsMamaの場合は、共助によって社会課題を解決するプラットフォームを創りたい、と社会を変えようと壮大なビジョンを掲げて前例のない会社をゼロから創ろうとしているわけですからそれを本気でやり続けようという、ある意味変人?超人?を集っていかなければいけないわけです。

そんな時に、オフィスから通勤圏外の人が採用対象でなくなるとか、就労時間があることで働ける時間があわない人が採用対象にならないとか、子どもがいても保育園には預けていないという人はこれまた採用対象外になるとか、意味が分からないと思いませんか(笑)。

そもそもAsMamaという会社名は、英語のAsとMamaをくっつけて、「ママとしてパパとしてイキイキ生きられる社会を、ママのようにパパのようになりたいと子どもたちが大人たちを見て思える社会を、自分たち自身で創っていこうとする人たちの集合体でありたい」という思いで名づけました。だから、そういう思いを持つ人には門戸を開き続け、協働できるスタイルを考えていくことは私自身のミッションでもあったんです。

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結果、5年間やってきて、このスタイルを貫いてきて本当に良かった、と思っています。最近になって従業員も増えてきたこともあり、そろそろオフィスがあってもいいかな、と思えるようになりましたが、このスタイルでやってきたからこそ集い、継続出来ているメンバーはもったいないほどに優秀です。

偶然ですが、AsMama従業員のご懐妊率はビックリするほど高く、わずか30人しかいない本部スタッフなのにいつも4-5人が妊婦です。産休も育休も制度としては体裁整えたものを作ったものの、それぞれが割と勝手に決めます(笑)。また、自分や家族に障碍者や要介護人がいることも多く、日中は療育や介護に通う人もたくさんいます。8割ぐらいが未就学の子育て中で、幼稚園に通わせている人も多いですし、日中習い事に連れていったりもしているみたいです。ご主人や家族の都合にあわせて「明日、明後日休みます」みたいなメールもしょっちゅう飛び交ってます。もし、AsMamaやオフィス通勤や就労時間を優先できる人限定で事業活動をしていたら、今いる仲間と会えなかったと思ったら身震いがするほどです。

一方、通勤不要、時間も自由、子連れOKと、それだけ聞くと、「いいなぁ」なんて言う人もいますが、このスタイルで働くには向き不向きがあります。一言でいうと、時間管理とモチベーション管理、約束厳守とホウレンソウが出来ない人には向きません。特に、子どもや家族がいる環境でもクオリティ(質)もクオンティティ(量)も落とさず仕事が出来るには、強い精神力と家族の理解が不可欠です。

特にマネージメント職は大変です。いや、大変というより無理です(笑)。言ってもやらない人は何を言ってもやらない。だからせっかく実行計画を立ててもやらない人が出てくるたびにチーム全体のパフォーマンスを担保するための行程管理をしなおさないといけない。そうするとチームのメンバーひとりひとりの負荷が上がってしまうので、そうならないために叱咤激励を繰り返し、やがては管理なんてしなくていい状態にもっていきます。

当然成果効果というアウトプットが評価指標ですから、座っていれば給与が保障される、ということもありません。最低保証給の見直しは3か月に一度見直しますし、成果効果が出せない人や、仕事や時間やモチベーションコントロールが出来ない人は、自然と離脱していきます。

客が来ようと来まいと一日座っていれば日給分はもらえるという単純労働型の働き方ではなく、自分の給与ををいくらにしたいかはどれだけの成果効果を上げたかの対価でしかない、という意識を一人ひとりが持っています。また、継続して成果効果を捻出し続けてこそ会社の将来の成長に繋がり、それが自分の収入に繋がることは勿論、家族や、地域や未来の可能性になる、というポテンシャルも信じてます。

通勤不要、時間管理なし、子連れ可、社会課題解決と事業成長を両立させる為の成果効果が全て、という規則がないのが規則、みたいな働き方は特にはなんとしても立ち上げに挑む会社には絶対向いてます。

とはいえ・・・、スタートアップ期の従業員はみんな、会社や社会の成長を信じて収入以上の時間と労力を先行投資してくれているわけです。だから、私は、各地にいるひとりひとりの想いと未来のために今、投資してくれている分を、将来にわたって絶対に返さないと、いけないんですけど(笑)。